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万引き防止装置
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よくCDショップや本屋等の店の入り口においてる、アレですよ。 実は、一度、ならしたことがある。
といっても、店ではなく、大学時代に図書館でのことだ。 もちろん、不正に図書の持ち出しをしたのではない。
普段なら、それほど人のいない、閑散としている図書館である。 その時は試験期間の真っ最中だった。 そのために、かなり混雑していたのである。 もともと、人との接触をできるだけ避けたい、私にとっては最悪な環境だ。 その日も、調べものをして、そそくさと退散しようとしていたのである。
ぴんぽ〜ん
鳴ったのである。
その瞬間、静かにざわついていた館内は一瞬、静寂に包まれた。 その場に居合わせた人々の視線が一点に注がれたのである。 もちろん、わたしにである。
その場から逃げたい。 でもそれは状況として許されない。 このジレンマの中、図書館の職員が近づいてきた。
わたしはもちろん潔白である。 なので、その場で、持っていたカバンをあけた。 中には図書館の蔵書は入っていない。
そこに入っていたのは、普段使っている教科書やノートなどの学用品。 そして、折り畳みの傘だった。
「傘って時々引っかかるんですよね。」 そう、職員は言ったのだ。
で、傘だけをゲートの外を通して、わたし自身およびその他の荷物は 普段通りゲートを通過した。 すると、今度は鳴らなかったのである。
周りの視線が、「疑いのまなざし」から「あわれみ」に変わっていたのが なんとなく感じられた。 が、もちろん、そそくさとその場を後にしたのだった。
今でも、雨の日などで、傘をもってあのゲートを通るときは なにも悪いことをしていないにもかかわらず、緊張するのである。
まぁそれ以降は警報が鳴ったこともないし、もうかれこれ10年以上も 経っているから、技術も進歩していることだろう。
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